analogyからlogicへ

http://tkj.jp/1000/
別冊宝島1000号発売記念復刊ということで「社会学・入門(ISBN:4796691766)」を買いました。
心理学や社会学、経済学ってのはちょっと興味ありますね。

生粋の理系で化学屋なので履歴書にこういうことを書いていると「へぇ」と言われるのですが、なんのことはありません、私はきっと「物事の仕組みを分析して再構築させる」という行為が大好きなだけなんだと思います。その証拠に「○○学入門」「×△講座」やコラム集はよく読みますが、小説の類をほとんど読んだことがありません。

中でも社会学は好きです。
社会学を好きになるきっかけとなったのが馬場靖雄 教授の講義でした。
先生の講義で教材として使われたエヴァセーラームーンのVTR(編集済)、一生忘れません。この講義で最後に書かされたレポート、「21世紀における宗教の役割について」で、周りがBやCをもらう中、私だけAをもらって。それがちょっと嬉しかったんですね。(笑)
そういえば少し前にSimple -憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向な日々-で先生の著作が引用されてました。

話を戻します。
社会学・入門」で「analogy(類推)は所詮”ana・logy(logicのなりそこない)”であってlogicではない」という文が出てきます。類推の域を出ない「リンク論」「アクセス論」etcを書く人たち、それを見て批判が全く出ないどころか考えもせず賞賛しているというお寒い状況。これを見かねてアナロジーを少しでもロジックへ近づけようとしたのが当研究所設立の発端でした。

しかし人間を扱う学問というのは難しいです。
社会学・入門」でも述べられていますが、社会科学の中でも経済学が成功したのは価格という実数を持つ鍵関数があったり、凸構造をして数学的に扱い易かったから。他はそうはいきません。

アクセスやリンクを扱う問題は心理学や社会学のようでいて、リンクの数であるとか、あるWEBサイトに何人来ただとか、実数で表現できる現象がたくさんあります。そしてPageRankのように数学的処理を行える場合もあります。経済学に似ている部分もあるけれど、経済学になぞらえて表すことはできません。クリックする(≒お金を払う)のは基本的にタダだし、サイトの訪問(≒商品の購入)をしたあとでサイトの良し悪し(≒商品の良し悪し)を判断することになりますからね。

今日のような困難はありますが、これからもあくまでマイペースに、質の良い論文を書くよう努力していく所存です。