偉大なるパズル作家の死

去る6月19日、世界屈指のパズル作家にして収集家の芦ヶ原伸之氏が急逝されました。

書店のレジ横に並んでいる金属製パズルを見かけたことがある方も多いでしょう。あれを作った人です。

Nob先生のパズルと私との初めての出会いは、小学生の頃に行った温泉旅館でのことでした。宿泊客の暇つぶし用に置いてあった木製パズルに夢中でハマり、「こんな面白いものを作っているのはどこの誰だろう?」と興奮したのを覚えています。

旅館の売店には同じパズルがお土産用に売ってありました。私はそこで手にしたパンフレットで、パズルの作者が「芦ヶ原伸之」という、私の祖父に近い年齢の人物だと知ることになります。

パンフレットに載っていたのは「匹見パズルシリーズ」

全て木製のブロックから構成され、全十数種類にも及ぶパズルはどれも1000〜3000円と、当時の私には少々高いものでした。ようやく7月の終わりころに通信販売でそのうちのひとつを手に入れて、夏休みは学校のプールから帰った後、宿題もそっちのけで熱中していたのを覚えています。

ああ、今Googleで検索していて思い出した。
確かこれだ。旅館に置いてあったやつ。
そして私が買ったのがこれ
懐かしい。

後に知ったことですが、大学で化学を専攻した私にとってNob先生が化学者だった(Nob先生は日本化学学会会員。化学メーカーを経て、教員に転職したという経歴の持ち主)ことは、何か数奇な運命を感じる出来事でした。

人間、本当にショックを受けると、その瞬間は何も感じずにあとからジワジワ悲しみが押し寄せてくるものですね。大好きなロックバンドが解散したときもそうでした。いつも通り個人ニュースサイトを巡回していてこの記事を読んだとき30秒くらい固まってしまいました。

今年は本当に偉大な先人の訃報が多過ぎるよ・・・。

我々はまだ彼らの教えを必要としているのに、残念でなりません。。・゜・(ノД`)・゜・。