投げ銭レポート ファイルNo.4 〜売る・売らないの意思問題〜

 
投げ銭の何が嫌がられ、疎まれているのか。
 それは投げ銭が『売る意思のない人から勝手に買う行為』だからである。」
 
先日のレポートは寝る前に一気に書いて
「あー、推敲すんの面倒くせぇ……。いいや、もう眠いし、上げちゃえ上げちゃえ♪」
とやった結果、挑発的になりました。すんません。w
 
さて。
最近、投げ銭に関する他の人の意見を読んでいて、自分で考えをまとめていく内に、あることに気が付きました。
 
何故このシステムを不愉快に思う人が多いのか。
どうして人力検索やアンケートでは極自然にポイントのやり取りが行われているはずなのに、投げ銭ではそうならないのか。*1

容認している人もそうでない人も上手く説明できていなかったのではないでしょうか。
 
おそらくこうです。
投げ銭(ここではあくまで現状のはてなポイント送信機能のこと)とは売る意思のない人から無理やり買う行為
だから不愉快さを生むのです。

つまり、売買の合意が非常に曖昧なまま、金銭(ポイント)がやり取りされているのが問題なのです。
 
貴方が素敵な帽子を被って街を歩いていたとしましょう。
見知らぬ人に声をかけられて「良い帽子ですね。5万円で私に譲ってくれませんか?」といわれたとします。人によって反応は様々ではないでしょうか。
「うそ、5千円しかしない帽子が5万?ラッキー♪売る売る。」という人も居れば、
「何こいつ。失礼なヤツ。だいたいこれは誕生日に貰った大事な帽子なんだよ!」という人も居るはず。

WEB投げ銭は基本的に後払いだし、上の例のようにお金と引き換えにハッキリと何かが受け渡しされるわけでもありませんので、厳密には売買と言えるかどうかわかりませんが、なんとなくわかってもらえると思います。
「売るつもりなんてなかったのにいきなり『買います』と言われる。」ここが不気味で不愉快なのです。
 
逆に言うと、「売る・売らない」の意思を最初からハッキリと表明しておけば、トラブルはぐっと減るはずです。なるほど、そういえば人力検索やアンケートは最初から「あることをしたら○ポイント」という意思表明がハッキリなされ、受け取る側もそれを認識した上で行動し、条件を満たしたらポイントをもらえます。合意がちゃんとなされているのです。

そこで私から提案です。

  1. 投げ銭を受け取る・受け取らないの意思を、初めて来た人にもわかるよう、目立つところに表示しましょう。
  2. 売りたいものがある人は「こういうものを売りたい」と声を上げ、買いたいものがある人も「こういうものを誰か売ってくれないか」と声を上げましょう。
  3. そういう「売りたい」と「買いたい」の声が集まる場を作りましょう。

ちなみに私は「投げ銭」という言葉が実は嫌いです。理由は、この言葉が「大道芸人にあげるように、『何か面白いものにたまたま出くわして気に入ったら、自分の好きなだけポイントを投げる』という使い方をせねばならない」という固定観念を、ユーザーに植え付ける原因になっているのでは?と考えるからです。はてなが整備してくれたのは”ネット上での金銭授受のツール”だと考えた方が発想が広がると思います。

*1:実はココが私にとって一番不可解でした。はてなユーザーは質問やアンケートだと何の疑いもなく(むしろ積極的に)、2桁3桁のポイントを平気で受け渡しするのに、投げ銭では何故か躊躇する人が多い。これは何故か、と。