暴走する日記

暴走する世界―グローバリゼーションは何をどう変えるのか

暴走する世界―グローバリゼーションは何をどう変えるのか

アンソニー・ギデンズ
名前は聞いたことあったんですけれど、ある方から本を戴いたのがきっかけで初めて著書を読んでみました。なるほど、面白いこと言ってますね。これが所謂「ラディカルな中道」「第三の道」ってやつですか。

日本も今、社会の階層化が進行しているって言われるので、後々にはこういう路線への切り替えが望まれるようになるんでしょうか。

民主主義って行き詰まってる感じがしたので私はもう限界なのかな、と思ってましたが、まだまだ発展途上だという主張ですよね、これ。曰く「民主主義の民主化」をもっともっと深化させるべきだと。
情報をどんどん開示したり、機会平等の保障を国が推し進めたり。そうですね。確かに。
でも累進課税はある程度残した方が・・・・・・うーん、いいんじゃないのかなぁ。
税率を引き下げるのは賛成ですけど、たくさん儲かった人からはちょっとくらい多目に取っても罰はあたりませんよ。

確かに政治家は自分の利益優先で国民の利益を二の次にしているのが政治不信の大きな原因です。
私なんてもう
「投票用紙を政策別に○×の項目を設けたアンケート形式にして、それで直接民主制にしちゃった方が上手くいくんじゃないか?」
と思ってたくらい。

でも難しい政治判断はド素人の国民による多数決で決めるより、頭のいい政治家の英断に委ねちゃった方が、もし間違えたときに責任のなすり付け所がハッキリしてていいのかも。



最終的には
「こういう社会は望ましく思うけれど、果たして上手く実現できるのかな」
というのが感想でした。

本編の後に記された訳者の解説がかなり良くまとまっていて、日本のことも絡めてあるので、そこは必読です。