『カウンター』という呪縛

もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、当サイトは『MaD Laboratory』の終了に伴い、4年半の間稼動させてきたカウンターを取り外しました。新サイトでもこのままでいく方針です。

昔は、それはもう、カウンターが気になって気になって仕方ありませんでした。というより純粋に楽しくて仕方ありませんでした。サイトオーナーなら誰もが見覚えのあることでしょうが、開設したてのころは自分しかカウンターを回す者がいないんですよね。だから自分以外の人によってカウンターの数字が進んでいるのに気が付いたときは嬉しくて。

するとそのうちキリ番が気になってきます。
次には大台に達することを目標にし始めます。
だんだん1日に回る量に関心を持ち始めます。

この辺で次第に関心が薄れていけば良いのですが、数字の増減に一喜一憂するようになってしまうともうお終いです。いかにカウンターを回すか、ということに熱中するようになります。

私はさすがに「アクセス増のためなら何でもやる」ような中毒症状にまでは陥りませんでしたが、それでも訪問者数の伸び悩みについて原因は何か、と考えをめぐらせたことがよくありました。

こうなってくると最悪の場合、サイト運営が嫌になって更新が停止してしまうケースも多いですが私は幸いなことに違うことへ興味が逸れていったんです。

「こういうアクションを起こすとどれくらいの反応があるんだろう?」
「文中リンクで同じような紹介の仕方をされても[クリックしてくる人数/リンク元の規模]の割合が異なるのは何故だろう?」
「このサイトから来る人の増減が特異的なのはどうしてだろう?」

理系の性でしょうか。数字そのものから、数字の変化の性質、そして科学的というか社会学的というか心理学的というか動物行動学的な部分に関心が移っていったわけですね。
一度などはデータを取りたいあまりにちゆ板に行って自作自演し、「初心者逝ってヨシ!」風な罵詈雑言を返されました。いい思い出です。

結果、アクセスをある程度増やす方法なら分かってきたし、そういったやり方をやった結果としての「アクセス増」が決してそのサイトの良さを証明していないということもたくさんのサイトを見て回ることで実感として分かりました。そして本当に良いと思えたサイトが例外なく多くの訪問者を抱えている事実も。

おかげでMaDLab.を閉じる頃にはカウンターの数字なんかもう全然気にならなくなりました。カウンターの数字はサイトの歴史を計る目安となるかもしれませんが、データとしてはあまり価値のないものだと気付き始めたからかもしれません。

カウンターはもう要りません。

訪問者はこれからもどんどん増やしていきたいですが、宣伝なんぞ二の次です。いかに訪問者が使いやすく、有意義な情報を集められるか。ただそれを目指していきたいです。