解答

最初の問題は”白・黒(毛の色)”と”馬(動物の種別)”という、次元の異なる要素をひとまとめにして考えている部分に矛盾の原因があります。

ちょっとややこしい言い方になりますが「白馬は馬にあらず」は、ある意味では正しいのです。
何故なら厳密には
 白馬=白馬
でなくては式は成り立ちません。
(「白馬=馬」が成り立てば、どんな毛色の「馬」であろうと「白馬」と等しくなってしまうからです)

「白馬であれば馬である」という命題はですが、
「馬であれば白馬である」という命題はです。

つまり「白馬=馬」は単に「白馬は馬ですよ〜」という事実を述べるために立てた式の筈なのに、いつの間にか「白馬はどんな毛色の馬とも置換可能ですよ〜」という風に式の解釈をすり替えている点がこの問題のトリック。


トランプに置き換えて考えてみましょう。

 ◆1=◆
 ◆2=◆
これは事実ですね。◆1も◆2もダイヤのカードであることは間違いありません。
では同様に
 ◆1=◆=◆2
となって、
 ◆1=◆2
両辺を◆で割ると
 1=2
しかしこれは成り立たないので、
 ∴◆1はダイヤのカードではない。

ほら、おかしなことになりましたね。
ダイヤのカードは◆1〜Kの13枚なのに、それを強引に
 ◆1=◆、◆2=◆
などとしたのが間違いだからです。




2番目の問題は簡単。
A=B=1
なので
A−B=0
ですね。

任意の数を0で割ることは数学のルール違反なので、”両辺を(A−B)で割る”というところが間違いです。(言い換えれば、0で割ることを許すとこういう矛盾が出て数学が破綻してしまうので割ってはいけないことになっているのですね。)