電子ブックは紙をこえるのか

一年程前に『ネットは新聞を殺すのか(isbn:4757101104)』[参考:http://kusanone.exblog.jp/]という本が出版されました。
こういうサイトを作っていることもあり、興味深く読ませていただいたのを覚えています。
今日、id:natsuiro:20041124#1101244282を見て、ふとそのことを思いだしました。
(そうか、もう一年か。早えぇ。)

この本を読むまで私には「電子ブックなんてものは普及しないだろう」という固定観念がありました。

理由は2つ。

第1に「モニターは長時間見ると非常に目が疲れるので文章を読むに適していない」という点。

みなさんも今見つめているパソコンのモニターを、印刷物と見比べ、チカチカして読みにくいと感じたことがあるのではないでしょうか。

これが1つ。

もう1つは、
「『電子媒体が普及するとペーパーレス時代が訪れる』『ネットでタダで見れる文章を出版したって売れるわけがない』なんて言われてたけれど、結局紙媒体は消えていないし、ネット関連の出版物もそれなりに売れている。」という点。

最近ヒットした「電車男(isbn:4104715018)」の例や、自分の出版物の内容をそのままWEBに掲載するという実験的な試みをやっている岡田斗司夫氏の本がそれなりに売れているという事実からも、人は本に対して、電子媒体にない何らかの”安心感”を持っているのではないかと私は予測しています。

書籍は急にデータが飛んだり、ある日突然閉鎖したりしないし、電力も食いませんからね。


しかし。
「ネットは新聞を殺すのか」にこういう一文がありました。

「パソコンでは長い文章は読みづらい」という表現は「今の形状、機能のパソコンでは長い文章は読みづらい」とすべきだろう。

(中略)

パソコン機器メーカーなどは今、読むための電子機器の開発に力を注いでいる。読みやすい画面、モバイル製などの改良が急ピッチで進められている。

そう。たとえばこれから先、私が電子ブックに抱いているイメージを覆すほどの製品が売り出されたらどうだろう、と。紙の印刷物と見分けがつかないほどコントラストがハッキリしていて(表示素子自体が発光しなくても反射光のみで鮮やかな画像が見れたり)、腕時計並の超省電力(太陽電池で賄えるほど)、かつ、軽量で折り曲げ可能、しかも丈夫な電子ブックが登場したらどうなるだろう、と。そうなったら私の予想の間違いが証明されるかもしれません。

そういう製品が実際に今開発されようとしているのだそうです。


電子ブックが紙媒体を超える日はやってくるのでしょうか。来るとしたら何時のことでしょう。

未来の私たちは今日を思い出し、「あの時代のモニターって見づらかったよね。」なんて会話をしているのかもしれません。