7/5の追記
先日原子の話をしましたけれど、トラックバック先の文や引用を見てみると、どうやらあの問題の鍵は量子論の話になってくるみたいですね。
物をすり抜けるすり抜けないの話は端的に言うと
「不確定性原理*1により、物の表面の原子同士が押されると位置が確定する方向に近づくので、エネルギーがその分大きくなっちゃってそれが反発する力となり、物をすり抜けたり出来ない。」
ってことになりそうです。わかったようなわからないような。
古典力学の見方をすると
「固体が固体をすり抜けないのは当たり前じゃないよのさ!アッチョンブリケ!*2(←誤用)」
ということになるんですが、ミクロの世界では作用・反作用の法則一つとってもこういう仕組みで起きてるんだとわかって面白いっす。
確かにこれなら強く作用すればするほど反作用が同じだけ大きくなるのもわかるし、力が強すぎて物が壊れたり破れたりするのもイメージできますね。
私は不確定性原理って単に観測の限界を示したものだと思ってたんですが、結構深いんですね。例えば原子の安定性についても説明がつく。
古典力学の考え方だと、プラスの電荷を帯びた原子核の周りをマイナスの電荷を帯びた電子が一定の距離を保ちつつグルングルンと回っているなんてありえないことなわけで、普通だとすぐ電子は原子核に落ち込んでエネルギーを発散させてしまわなければならない。その方が安定だから。でも実際はそうじゃなくて安定して電子は原子核の周りを回り続けてる。
これを不確定性原理で説明すると、こう。
「電子が原子核に落ち込むと、それ以前に回っていた範囲より狭い範囲を回る(=それ以前より位置が確定される方に近づく)ので、その分エネルギーが増える(=速度が上がる)。よって電子が原子核に落ち込むことはなく、安定して存在する。」
いやはや興味深いですね。